ちゅんたんねこたん、どんどこどん!
2017年 03月 18日
1月、ちゅんたろうが天国へ旅立った。
この2ヶ月、意外にも私は元気である。
まあ、なんてったって享年24歳の大往生。
もちろん、ハワイで報せを聞いたときは、わーわー泣いた。
撮影の仕事も無事終わり、
あす日本に帰るってタイミングだった。
最終日の宿にはプライベートビーチがあったので、
誰の目も気にせず、こどものように大泣きした。
(泣くのにこれほど格好の場所はないぜ)
その前夜、ちょっと不思議なことがあった。
4日間の撮影が終わり、ほっとひといき、星空のもと、
星空の下、ジャグジョーでビールを飲んでいたとき、
一匹の蝶がすっと飛んできて、私のひじの近くに止まった。
その動きに意思を感じ、「ああ、ちゅんたがいってきます
と言いに来たのだな」と思った。(不思議なくらいの確信)
「その蝶、先生のところに来ましたね」
ジャグジーに一緒に入っていた教え子がつぶいた。
その半月前から急に衰弱し始めたので、
この旅の途中でいくのだろうなという予感はあった。
ハワイへ出発する朝、
「ちゅんた、もう十分がんばったから、
いきたいときにはいっていいよ。
あたしを待ってなくていいからね」と抱きしめて伝えた。
なんかわかってるなという気がした。
オタオタしてる母貞奴に代わり、
ちょうど休みだった親友テイコが
あとのことは全部やってくれた。
こんなタイミングでにいっちまうなんて、
ちゅんたのやつ、最期までやるなと思った。
たくさん愛を与えて、たくさん愛をもらって、
まわりにやさしいエネルギーを循環させてくれた。
ああ、当たり前だけど、みんな必ず死ぬんだ。
私にだってこの人生の最後の日は確実にやってくる。
メソメソしている場合ではない。
メソメソしている場合ではない。
考えてみれば、いつかやろうと
先延ばしにしていることが何と多いことか。
あれもこれもいつかやろうと思っているだけで、
いつか、いつかって、いつやるんだよ、オリツ!?
珍しくスッと喝が入った。
絵に描いた餅を眺めるのはやめにしよう。
目の前のことをいっこいっこ、
1日単位でその日を生き切りながら、
もっともっと写真や言葉を伝える努力をしよう、楽しみながら。
(そんなわけでのウェブリニューアルであり、
ブログ更新の日々なのである)
身近な者の死に出逢ったとき、
人生が変わっていくという人も多い。
写真家の星野道夫は、十代で、
大切な友人の死に出逢い、自分の生きる道を決意する。
日本の大学を中退し、アラスカ大学の編入試験を受ける。
英語の点数が30点足らなかったが、
学長に直訴し、情熱を伝え、入学許可を得る。
そこからどんどん人生が動き始めていった。
私に関しては葬式不要。
教え子主催で「楽しい被害者友の会」など開催してもらえたらうれしい。
一番派手な色の服を着て集まり、
美味しいものを食べて、たくさん飲みながら、
「おりっつあんにはホント巻き込まれたよねえ」
「俺は・・・」「私は・・・」
「お互いたいへんでしたよね」
と労をねぎらいながら、笑ってもらいたい。
もともと猫が苦手だった私と
カナダでたまたま同居することになり、
毎日生活をする中で、気づけば相棒になってくれていた。
一匹の猫がこんなにも、幸せをくれるんだということ。
愛情というものは、源泉のように
どんどんどんどん溢れ出るものだということ。
ちゅんたと出逢ったから知ったことがたくさんある。
先の見えない毎日も、ちゅんたと一緒だったから、
ふたりで冒険の旅に出かけているような楽しさを感じた。
マウイからの帰りの飛行機で、
『猫が世界から消えたなら』を見ながら、
思わず声が出てしまうほど泣いた。
悲しいというよりうれし涙だ。
この世に猫がいてよかった!
ちゅんたと出逢えて本当によかった!
私もいつかあっちにいったら、
「あれからがんばったよ〜!」
と胸にモフモフ顔をうずめて報告したい。
それまでにまだやることがたくさん。
チクタク、時計の針が急に鳴り始めた。
これまでちゅんたをかわいがってくれたみなさま、ありがとうございます!
by 55ritsuko
| 2017-03-18 23:29