バトン

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おもしろい日ってのは、ある日突然やってくる。





それが今日だ。
ランチは念願のアンペキャブルへ。

前菜からその繊細なテイストに、すでに胃袋をわしづかみにされる。
2皿目の白菜のスープは、クルトンの代わりにかりかりに焼いたお餅が。
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スープに餅というユニークな発想に拍手。
このアンペキャブルは、バンクーバーにいたころから、
「長崎帰ったら必ずここに食べに来よう!」と決めていたところ。
オーナーの大坪さんが書くブログをかなり読み込み、大坪シェフ自身にも興味があったので、
個展の最終日、コメントカードを読み返していたら、大坪さんのあたたかい言葉があって、
「おおお、来てくださってたんだ!」と感動したのだ。
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そして、初めてじっくり話した大坪さんは、
長崎の食の大御所ながら、謙虚さとあたたかさとパッションを感じるひとだった。
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ねっ、こんなうれしそうに料理を作ってる。
作るほうも食べるほうもしあわせ以外のなんでもないよね。
すべては「気」なんじゃないかなと最近よく感じる。
料理も写真もつながるところはそこじゃないかなあ。
見えなくても感じるものがあるよね。

ってなことを思いつつ、しあわせな余韻を残して古川町をふらふら歩いていたら、
おもしろそうなお店を発見。
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その名も「氣楽屋」。
おー、やぱり気だわ。
オーナーの睦子さんというおばさまと入ってちょこっと話をする中で、
「私がジャンベをやりたいんです」というと、奥から「うちにもあるわよ」と
睦子さん、太鼓をばんばん叩き出した。
そして叩き終わるや否や、「あわせたい人がいる」と言って、目の前のビルの2階へ。

あわててついていくと、そこは普通のマンションの一部屋で、
「おはいんなさーい」と奥から言われ、上がると、
なにやらそこは住居ではなく、店!?ってな不思議空間。
聞けば、そこは「からすみ まつくら」という生からすみ丼が有名なところらしい。
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突然現れた私たちにお茶からからすみ、
おつけものや菜の花のおひたしまでごちそうしてくれた。
おもろい、こんな出逢い。
気分は旅人だ。
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「お酒好き?」と訊かれ、「もちろんです」と即答すると、
「からすみにはやっぱ日本酒よね~」とお酒まで振る舞ってくれた
まつくらのオーナーの照さん。
絶妙な塩分と堅さのからすみと初めて食べた生からすみの美味しいこと。
そこに日本酒も加わって、幸福感、一気に120%。
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洪水で流出した中で唯一残っている中島川にかかる橋、袋橋。
大切に保存すべきこの橋を車が渡れる橋にしてしまったこと。
原爆を奇跡的に免れた聖福寺の修復工事のことなど。
からからっと明るい睦子さんに照さん、古き良き長崎を知る時代の先輩から、
聞く話はひとつひとつどれも興味深かった。

そして私が写真をしていることを知ると、
「カナダから戻って長崎を撮りたいというあなたに出会ったのも縁ね。
この本をあげる」と一冊の本を差し出した。
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「世界史の中の長崎」という昭和46年に出版されたこの本。
1ページ開けるなり、鼻の奥がつーんときた。
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こんな長崎があったんだ。
ページを開くたび、迫ってくる、迫ってくる。
すごい写真集だった。
この絶版になっているであろう大切にしてきた写真集を
会ったばかりの私にくれようとしている・・・。

これってバトンだ。

写真集のすごさと照さんの気持ち、その両方に涙目になりながら、
これからの長崎での活動のビジョンが見えてきた。

さあ、おりつ、いつまでも冬眠してる場合じゃないわよ~!
blogの更新もばんばんやるわよ~!?
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by 55ritsuko | 2011-01-13 00:40

RITSUKO NISHIZAWA  photographer。中学教師18年→カナダ生活6年→故郷長崎を拠点に世界を旅する。


by 55ritsuko
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